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『89』今世紀最高のフットボールフィルムそのレビュー

先日『89』を映画館で鑑賞してきました。当然のことながら全てのKOPの皆様とグーナーに観ていただきたい素晴らしい作品でしたので、宇多丸師匠『ムービーウォッチメン』スピリッツでレビューさせていただきます。

若干ネタバレありですので、バレずに観たい!という皆さんは絶対に読まないでください。

 
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先日もちらっと説明しましたが、もう一度!

『89』とは何か?

まずはざっくり、こんな映画です。

5.26(ゴーテンニーロク) 1989 イングリッシュフットボールリーグ・ファーストディヴィジョン88-89最終節。首位リバポー勝ち点76、2位アーセナル勝ち点73で迎えた直接対決は要塞アンフィールドでの超絶アウェイ。優勝に必要な点差は2点差以上という、絶好調リバポー相手ではわりと無理ゲーな状況。

しかし52分、このシーズンの得点王アラン・スミスが頭で先制し残り一点!と詰め寄ったままロスタイム突入。当然のように老かいな時間稼ぎ発動のリバポー。そして迫り来る終了の笛。誰しもが諦めかけていたその瞬間・・・

を描いた、アーセナル史上最高といっても過言ではない輝かしい瞬間を切り取った、ドキュメンタリー・フィルムであります。

そうこれこそが、皆さんご存知ニック・ホーンビィ・パイセンの自伝的小説を映画化した『FEVER PITCH』(邦題: ぼくのプレミア・ライフ)の、あのエンディングの死闘なのです。

 

そしてこのヤベえプロモ。

プレミア前夜、古き良き時代のイングランド。

「IT’S NOT JUST ABOUT THE GAME」
(これはただの試合なんかじゃない)

「IT’S ABOUT BELIEVING」
(信じるという物語だ)

「NEVER GIVING UP」
(でもやるんだよ)

「NOTHING IS IMPOSSIBLE」
(俺達に不可能はない)

これだけで、鳥肌。

これを実際、あの時代に目の当たりにしていたとしたら、今の”あっけなく大逆転されてしまうチーム”に中指も納得だし、このピッチに立っていた賢人達の、現在の選手に向けた辛辣な愛情表現にも、ただただうなづくしかないというか。

もちろん現在のクラブ間にそびえる圧倒的戦力の差はあれど、しかし「それでも!」という強い気持ちの見えない今の選手達に対するレジェンド達の苛立ちが、当時を知らなかった俺の胸にも突き刺さるのです。

魔法だ。この試合は一生抜け出せない、絶対服中の魔法だよ。

 

とまぁ、そんなKOPじゃなくても泣ける、「愛と感動のガチドキュメタリー映画」だと信じて疑わなかったのですが・・・。

 

それは、とんでもねえ間違いでした…

『89』それはアーセナルにしかなし得ない最高の喜劇

 

いやぁもうね、抱腹絶倒の88分!

 

さすがにそれは言い過ぎだとしても、まさに吉本新喜劇を観ているような感じとでもいいましょうか。

決してシリアスな感動だけではない、笑って泣いて笑って哭いて、そして笑って最後に泣ける、間違いなくアーセナルにしかなし得ない最高の喜劇!というか。

 

物語はジョージ・グラハムの監督就任あたりから始まります。鳴りもの入りで入団してきた監督の練習場での挨拶に、まるで値踏みをするように目を細める選手達。これって今も昔も変わらない、永遠のやつなんだなぁと感動。

その後新米監督から、(当時としてはきっと斬新な)ドリブル練習などが課されるのですが・・・あの時代の超絶短い短パンで披露されるへったくそなドリブル等、会場を爆笑へと誘う悪意の塊のような映像の数々

そして途中途中のインタビューで、今やレジェンドとなった当時の選手達がそのシーズンを振り返るのですが、

とにかく役者陣(選手)が揃いも揃っていい味出してる。全員が全員キャラ立ちしていて、しかもべしゃりが奇跡的に上手い。

未だ監督然としたジョージ・グラハムは、カリスマ感を漂わせる担任の先生。そしてそれを取り囲むいたずらっ子の生徒達。謙虚すぎてテヘペロ感が未だ抜けない決勝点を決めたマイケル・トーマス、クラスの秀才リー・ディクソンは冷静に分析したふりして必ずなんかぶっ込んでくるし、ボールド師匠も見た事ないほどリラックスしながら真面目な顔して真面目な事言うし、今は解説なんかしちゃってるムードメーカーのポール・マーソンは鬼っ子全開、饒舌におもしろトークを連発、先制点をあげたアラン・スミスはめっちゃ顔色よくなってるし、ウインターバーンの天然っぷりに癒されたと思ったら、学級委員長のトニー・アダムスが、ユーモアを交えながらエエ声でびしっと締める。

しかし、全てのスタジアムが見直されるきっかけとなった史上最悪の大事故、「ヒルズボロの悲劇」を振り返るシーンでは、さっきまで饒舌に語っていた全ての選手が言葉を失い・・・。

この事故は、このフィルムの転換点となる場面でもあり、ここから一気にあのファイナルのカタルシスへと向かいます。

そしてついに最終節、ロスタイムのドラマ。

全ての人間が祈るように見つめる中、マイケル・トーマスのあのゴール…が再現されるのですが、、、もうね、思わず笑みがこぼれまくる素晴らしいスペクタクルなエンターテイメントで描かれておりまして、あえてネタバレしませんので、これは是非観ていただきたい!

そしてゴールが決まった瞬間の、

館内に響き渡る「おーえーい!」の大合唱。

あぁ、こんなにたくさんの同士がいたのかと、思わずニヤニヤというか、映画館でしか味わえないこのシンクロ率200%の一体感。

しかし、ここで終わらないのがこのフィルム。終了のホイッスルが鳴る前の気持ちを選手達が赤裸々に語るのですが、これがまたいい。自陣のゴール前でわちゃわちゃしている際、ゴールを決めたマイケル・トーマスがまさかのキーパーにバックパス。選手から漏れる「お前、ふざけんな!」的なコメントの数々にまたも爆笑っていう。

 

しかし、再び胸に響く、優勝を振り返る言葉の数々。

ここまでチームを引き上げた監督のグラハムは

「信じられなかった。これ以上のものはなかったね…」

と天を仰ぎ、

決勝点を決めたマイケルは、

「俺たちはファミリーだった。強い絆で結ばれたそんなファミリーだった」

と懐かしそうに語る。

 

そして、さっきまで無邪気な笑顔でお笑い担当を演じていたマーソンは神妙な顔で、

「こんな事は、もう二度とないだろうね…」

とうなずく。

 

そしてチームメイトも一様に、自らの人生に重ね合わせる。

リー・ディクソン

「正直、人生の中で最高の夜だった。
2ゴールが必要で、土壇場で…あんなことはもう二度とないだろうね」

 

トニー・アダムス

「私のキャリアの中でも、最高にマジカルな瞬間だった」

 

イアン・ライト

「あの試合は、これまで俺が観てきた中で、間違いなく最高の試合だった。(そしてきっとこれからもだ)」

 

ティエリ・アンリ

「誰がなんと言おうが関係ない。あの最終節は、僕が観てきた全てのリーグで最高のピリオドだ」

 

そして、散々笑わせ、散々感動させてくれたこのフィルムの最後に、ふっと浮かび上がったこの三行・・・。

 

DEDICATED TO DAVID ROCASTLE
WHO LOVED THAT GAME MORE THAN ANY OTHER.
1967-2001

何よりもあの試合を愛して止まなかった、
デイビッド・ローカッスルに、このフィルムを捧ぐ。
1967-2001

 

『89』

誰がなんと言おうが、俺史上最高のフィルムです。

 

日本では未発売のこの作品、日本解禁まで待てない!(されるのかわかんないけど)という方はUK密林から取り寄せるっていう手もあんぞ!

UK密林からの購入方法は過去記事を参照してみてください。
簡単5ステップ!入手困難『THE WENGER REVOLUTION』の最速入手方法【図解付き】

続報!このる『89』が一日限定で日本上映!!

グーナーマストのこの映画が、ヨコハマ・フットボール映画祭で一日限定で上映されることになりました!

しかも上映前には【ガチグナ笹木香利による『89』プレビューショー】も開催決定!さらにXFA様から特製ノベルティもプレゼンツ!!

(特製ノベルティプレゼンツは「カオリン『89』プレビューショー」参戦の人限定)

もしあなたがグーナーであるならば、迷わず申し込んじゃってください。

これはステマでもなんでもない。

ただただマジで観てほしい映画。

以上!

お申し込みはお早めに。

 

コメント

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