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【禁断のダービー】ミルウォール vs ウェストハム――なぜ「Dockers Derby」は最恐なのか?

イングランド最恐ダービーが、今週末ついに帰ってきます。

先日Xにこんな投稿を投下させていただきました。

🔥 ミルウォール vs ウェストハム 🔥

因縁も、歴史も、憎しみも全部乗せ

まさに「血で血を洗う」最恐ダービー

そして何より、ハムが降格したからこそ、このカードが再び実現するという皮肉

そう考えると ハム降格、

あれはあれで良かったのかもしれない…

そうなのです。

長らく封印されていた「ミルウォール vs ウェストハム」という最恐ダービー「Dockers Derby」が、ついに今週末、解禁されてしまうのです…

「パンドラの箱が開いちゃうよね!」ってくらい大注目のこのダービー。

どんだけ注目されてるかっていうと、

イギリスの民放が放送しちゃうくらい!

まさに「一寸先はハプニング」プレミアリーグのビッグマッチも霞んでしまうほど、現地では注目を集める“裏ビッグマッチ” なのです。

というわけで、ロンドン在住、いや、もはやイングランドフットボールに片足どころか、膝まで突っ込んでいる人間としては、いてもたってもいられない。

なぜ、この両クラブはここまで激しく対立するのか? なぜ、このダービーは「イングランド最恐」とまで呼ばれるのか?

そのルーツとなるドック労働者たちの歴史から、100年以上にわたる因縁、そして数々の事件、そして何故ドッカーズ・ダービーがなぜ特別なのか、その歴史的背景をもとに大々的に掘り下げてみたいと思います。

是非これを読んで、イングランドフットボールの“闇と熱”を覚えて帰っていただければ幸いです。

「Dockers Derby」とは?

イングランドには、数え切れないほどのダービーマッチが存在します。

アーセナルとトッテナムのNorth London Derby(ノーロン)、ニューカッスルとサンダーランドのTyne-Wear Derby(タイン・ウェア・ダービー)、リヴァプールとエヴァートンのMerseyside Derby(マージーサイド)、マンチェスター・ユナイテッドとシティのManchester Derbyなどなど。

しかし、「最も恐ろしいダービーはどこか?」と聞かれたら、誰もが迷わず挙げるであろうカードがあります。

それが「ミルウォール vs ウェストハムの「Dockers’ Derby(ドッカーズ・ダービー)」です。

そして2026年9月19日、この因縁のカードが14年ぶりに解禁。

舞台はミルウォールの本拠地、The Den。

しかも今回は、両者にとって通算100回目の公式戦となる、記念すべき試合となります。

「Dockers Derby」最恐ダービーの歴史

このダービーの何がヤバいのか?

まずは、その歴史から振り返ってみたいと思います。

このダービーの特殊性は、単なる「近所のクラブ同士」ではありません。

ルーツは19世紀末のロンドン東部、テムズ川沿いの造船・港湾地区にあります。

ミルウォールは1885年、Isle of Dogs にあったJ.T. Morton社の缶詰工場で働くスコットランド系の労働者たちによりミルウォール・ローバーズとして設立。

一方のウェストハムはその10年後の1895年、Thames Ironworks and Shipbuilding Companyという造船・鉄工会社の労働者を中心とするThames Ironworks FCとして創設(ウェストハムの愛称が「IRONS/アイアンズ」なのはこの鉄工会社の名残り)

つまり、両クラブは同じエリアで結成されたクラブで、しかも当時、両チームのホームはわずか約5キロほどしか離れておらず、必然的にライバル関係となっていました。

また当時の両クラブは、テムズ川沿いの工業・港湾地域を基盤とする“ワークスチーム”でした。

ミルウォールはJ.T. Mortonの工場労働者、後のウェストハムとなる Thames Ironworks は造船・鉄工所の労働者を中心に結成され、両者の選手やサポも同様、それぞれの企業で働く労働者。

つまり、単なる「ライバル」や「別の会社に勤める労働者同士だった」だけではなく、同じテムズ川沿いの工業地帯で暮らす、異なる企業・地域コミュニティの労働者たちが、それぞれの“おらがクラブ”を通じてぶつかり始めた。

そして、両者のサポが同じ「ドッカー(港湾労働者)」だった。

これこそが Dockers Derby(ドッカーズ・ダービー)の原点となるわけです。

120年以上続く因縁

両クラブの最初の公式戦は1899年12月23日のFA Cup。 当時は、ミルウォール・アスレティック vs Thames Ironworks として行われました。

ちなみに、この試合では英国らしい珍事件が発生。ミルウォールが2-0でリードしていたところ、濃霧のため試合が中止。その後、残り21分を翌年4月にプレーするという、とんでもない展開にだったようです。

そして1900年、Thames Ironworksが解散し、新たに ウェストハム・ユナイテッドとして再出発するわけですが、このように、現在の「ウェストハム vs ミルウォール」の因縁は、120年以上続いているというわけです。

その後1910年、ミルウォールはテムズ川を渡りNew Crossへ移転。さらにBermondseyへ移り、現在のThe Denを本拠地としています。

一方、ウェストハムはイーストロンドンに残ったことで「サウスロンドン vs イーストロンドン」 という新たな地域対立も発生。

テムズ川そのものが心理的な境界線となり、現在でも両者のライバル意識が消えない理由の一つとなっています。

血で血を洗うフーリガン時代

1970年代に入ると、イングランドフットボールは、いわゆる「フーリガン時代」へと突入していきます。そして、ここからが本当の意味で、このダービーが「最恐」と呼ばれるようになった歴史の始まりとなります。

1970~80年代のイングランドフットボールには、各クラブにFirm(ファーム)と呼ばれるフーリガンの組織が存在しました。

その中でも最狂と言われたのが、ミルウォールを頂点とするウェストハム、チェルシーの三狂。

ウェストハムには有名な Inter City Firm(ICF)、ミルウォールには Millwall Bushwackers (ゲリラ兵)という組織があり、もはや昭和の893よろしく、常に血で血を洗う抗争を繰り広げていたわけです。

1989年のドッカーズは圧倒的殺伐!

そもそも、「フーリガン」とは何なのか?

その背景を理解するには、まず当時のイングランドフットボールが、どのような人々に支えられていたのかを知る必要があります。

もともとフットボールは、今とは違い、労働者階級のコミュニティと深く結びついたスポーツでした。当然、スタジアムに足を運ぶ観客の多くも労働者たち。

そして1970年代以降、社会に対する不満や地域コミュニティの対立、クラブへの強烈な帰属意識など、さまざまな要素が絡み合う中で、一部のサポーターたちがスタジアムの内外で暴力的な行動を取るようになっていきます。

つまり、フーリガンとは単純に「試合で負けて腹を立てた人たち」ではなく、クラブへの忠誠心、地域への帰属意識、そして当時の社会状況に鬱屈した不満、そうしたものが複雑に絡み合って生まれた、イングランドフットボール史の一つの側面なのです。

その中でも最恐と呼ばれたミルウォールとウェストハム、この2つのファームの対立は一層激しさを増していくわけですが、

その模様は、是非当時のファームを描いた映画『The Football Factory』と、その後のファームを追ったスピンオフのドキュメンタリー『The Real Football Factories』をご覧いただきたい!

特に『The Real Football Factories』は最高で、

若かれし日、チェルサポファームのトップだったおじさんの言葉が心底胸に染みるし、

フットボールファクトリー チェルシー フーリガン ファーム

バスケ鶏のアレな感じも、手に取るようにわかります。

フットボールファクトリー チェルシー フーリガン ファーム トッテナム

ちなみに “時には冷酷になり尊敬を集めていった” らしい鶏サポが、ミルサポを煽った結果がこちら。

あえなくワンパンKO…

今現在でも、バスケ鶏が全方位的にディスられているのは「そーいうとこやぞ!」って気がすんのよなぁ…

はさておき、このワンパン映像を見て貰えばわかるように、

たとえ相手が集団でも、ミルサポは一人でも逝く。

そういうネジの外れた漢たち。

そんな中で、フーリガニズムを撲滅するために、アルコールを持っての入場を禁止したり、立ち見席を排除し全席指定にしたり、問題を起こした人間は出禁にするなど、様々な措置を講じた結果が、現在の安心安全なスタジアム観戦へとつながっていますありがとうございます。

だがしかし!

それでも危険すぎるダービーが存在する。

それがこのミルウォールとウェストハムのドッカーズ・ダービーというわけです。

大暴動の歴史

これまでこのドッカーズ・ダービーでは2件の死亡事故が起きています。

1976年、ミルウォールのサポーターが、West Hamサポーターとの乱闘に巻き込まれ、列車から転落して死亡しています。

そしてこの事件は、その後の両者の因縁をさらに激化させました。

その2年後行われたダービーでは、ミルウォールサイドに死への報復を示唆するビラが配られ、当日の警備には約500人の警察官が投入。70人が逮捕、6人の警察官が負傷するなど、大規模な衝突になっています。

さらに1986年10月4日、今度は19歳のWest Hamサポーターが、Embankment駅近くの通りでミルサポサポに集団で刺され、死亡。

そして現代のドッカーズ・ダービーを語る上で絶対に外せないのが、2009年8月25日のリーグカップでの事件です。

舞台は当時ウェストハムのホームだったUpton Park。

4年以上ぶりとなった対戦は、試合前からスタジアム周辺でサポーター同士の衝突が発生。

この衝突により、ミルウォールサポが胸を刺される重傷。そのほかにも多くの負傷者(顔から血を流すなどして少なくとも20人以上)が出ています。

試合中にはピッチへの乱入も複数回起こり、もはや試合どころじゃなくなったりして、スタジアム内外で大きな騒乱となりました。

試合自体はウェストハムが延長戦の末に3-1で勝利しましたが、試合よりも暴動のほうが大きく報じられる結果に。

その後、両クラブにはFAから処分が下され、ウェストハムには11万5000ポンドの罰金が科されています。

この2009年の事件によって、ドッカーズ・ダービーは改めて「イングランド最恐ダービーの一つ」として世界的に知られることになったわけです。

そんな両者が、2026年9月19日、ついに再び The Den で再び激突する。

これ以上ないシチュエーションであります。

ミルウォールとは何か?

ここで少しミルウォールについて触れさせてください。

「ミルウォールサポはネジが外れてる」という話をしましたが、とんでもなく素晴らしい話もあるので紹介させてください。

2017年6.3 ロンドンブリッジ周辺で起きたテロ事件。

それを救ったのは一人の勇敢すぎるミルウォールサポでした。

当時の記事です。

その夜、バラマーケットにある Black & Blue restaurant で友人達と飲んでいたRoy Larner(47)は、突然の叫び声を耳にした。

「ア⚪︎ーの神よ!ム⚪︎リム!ム⚪︎リム!ム⚪︎リム!」

その響き渡る絶叫に、店のスタッフと客はパニックに陥っていたが、Royはとっさにこう叫んだ。

「F@CK YOU!うるせぇぇ!!オレはミルウォールだゴラァ!!!」

そういいながら、素手でパンチをぶん回しながら、絶叫する3人のテロリストに向かっていった。

彼のこのアクションは、客やスタッフを逃がすには十分だった。

複数回(8カ所)頭を斬りつけらたRoyだが、その後手術を受け、現在は順調に回復に向かっている。

病院のベッドで彼はこう語る。

「良くはなってきてるよ。手術も受けたしな。まぁアイツらも思ったんじゃねえか?一週間分くらいのダメージは与えたってな。

でもよ、オレはやらなきゃいけねえ事をやっただけだ。ただそれだけだ」

今彼のベッドの上には、悪友から送られた「Learn to Run (走り方講座)」の本が置かれている。(「お前は逃げ方を学べ!」っていうミルオルジョーク)

Royは語る。

「まぁ3人全員オレに向かってきやがってこのザマよ。オレもアイツら捕まえてボコってやりたかったけどよ、8カ所くらいか?刺されてよ。辺り一面血みどろよ!へっへっへ」

幸運な事にその刺し傷は致命傷にはならなかった。そして同時に彼は「ロンブリのライオン」の称号を手に入れたのだ。

彼の母親であるPhyllis Larnerは誇りの息子だと語る。

「ロイはねぇ、アタイの自慢の息子なのヨォ!まぁ喧嘩はやめることはないと思うけど。あのコはね、ナイフだの銃だの関係ないんだから!

日曜朝に彼のパートナーのトレイシーにも電話で話したけど、アタイは正直ショックは受けてないわよ。

だってあんた、あのコは誰が相手だろうとおかまい無しなんだから!やりたいようにやるコなのよ。そしてマイメンを助けないといけなかっただろうしね。今は手術を受けて元気になってきてんじゃないの?

あのコはほんと誰が相手だろうが関係ないのよ。なんも怖いものなんてないんだから!もうMUTEKIよMUTEKI!アハハハ!」

彼の悪友、Mick Churchは言う。

「今日病院行ってきたんだけどよ、メガネ外してなんか手はヒジんとこまで縛られてたな。10インチの傷が2カ所と、顔とか首とかめっちゃ傷だらけだったぞ。

それでも娘からの電話に笑顔で応えてたしな、アイツ完全頭おかしいわ。もうミルウォールの誇り高き英雄よ!」

彼のこの行動は当然賞賛され、ジョージ・クロスが送られるかもしれない。これは人命救助等に於ける極めて勇敢な行為に対して与えられる、民間人が受けることができる最高の賞だ。

どうですか皆さん。

刃物持った三人相手にステゴロで立ち向かい、血みどろになっても立ちはだかるとか、

まんまリアル花山薫!

漢ミルウォールの任侠立ち!!

ミルウォール最高でしょう!!!

これで鶏サポにも一人で向かっていく意味をわかってもらえましたか?

これがミルウォール魂(ダマシイ)なのです。

そしてこの魂を全員が持ってる。

この映像なんて、ミルウォールの全てが詰まってると思う。

これは、チャールトンとミルウォールのダービーマッチで、ミルウォールが終了間際同点に追いつき、ホームチャールトンスタンドに隠れて座っていたミルサポが、アウェイスタンドの歓喜に加わろうと駆けつけたものの、ミルサポにチャールトンサポと勘違されフルボッコされる心温まる動画なんだけど、

この動画で特筆すべきところは、迷いなく右ストレートを連打するおっさん連中だけでなく、ボコられながらも中に入って逝こうとするこの勇者!

これこそが常軌を逸したミルオル魂(ダマシイ)!!

いちいち最高なんだよ…

ウェンブリーで行われたプレーオフの時は、スタンドのミルサポが警官の帽子ヒョイっと取り上げて、どんどん左のやつにリレー方式で渡していったりとか、お茶目な部分もあるし。

間違いなく、自分のチームが負けても、死んでもポズナンなんか踊らない

踊るくらいなら、ピッチに乱入する

そんな、漢気あふれるサポ

それがミルサポなのです。

ちなみに、ミルウォールのホームスタジアの名称は「The Den」。

直訳すると「巣窟」。

オフィシャルも認めるヤベェ場所。

俺も車運転してて、一度たまたま迷い込んだことがあるんですよ。

The Den に。

そん時の写真がこれなんすけど、

上の方に「REFUGEES WELCOME」ってペンキ文字あるじゃないですか。

これ直訳すると「難民の皆さん、ようこそ」なんすけど、

意味は全く違うよね。

どちらかといえば、

渡部篤郎的な

「来いよ…(来るなら来てみろよ)」

的なやつ。

奴らはゴリゴリの白人至上主義者。

フーリガンとは元々そういう思想を持った人たち。

だから、このご時世、ちょっと煙たがられたりもする。

でもね、奴らには全く関係ない。

だって聞いてよ、このチャント。

No one likes us, no one likes us
俺らのこと好きなやついるわけねぇだろ

No one likes us, we don’t care!
でもそんなの関係ねぇ!

We are Millwall, super Millwall
俺たちはミルウォール、ハンパねぇミルウォール

We are Millwall from The Den!!!
そう、巣窟からやってきたミルウォールだっての!!

そんな奴らのダービーを前に、ロンドン警察も異例の表明!

約14年振りの最恐ダービーに、最善を尽くす意向!!

当日はシャアを見習い、通常の3倍本気出すようです。

ピッチ上では90分間の激しい球蹴り

しかしスタンドには、120年以上の歴史がある

ドック労働者

テムズ川

イーストとサウス

Firm文化

そして事件の数々…

それらすべてが、90分間に凝縮される

それが ドッカーズ・ダービー。

嫌いだから、ダービーなんじゃない。

歴史があるから、ダービーなのだ。

2026年 9.19

14年ぶりに、テムズ川を挟んだ因縁が、再び巣窟に帰ってくる。

イングランド最恐とも称される、

Millwall vs West Ham

Dockers Derby

プライドだけを懸けた100回目の死闘、まもなく開戦。

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妄想記事を描いている猿

アーセナルのせいで日本に帰国できなくなった非国民、出家信者。「妄想8割・ガセ2割」をモットーにアーセナルのエア情報を垂れ流す意識低い系ブロガーとして、日本人グーナーのメディアリテラシー向上に貢献すべく、ほぼ毎日ブログを更新中。

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