ついにその時が来てしまいました。
7.4 アーセナル公式から衝撃の発表。
冨安健洋がアーセナル退団。
Thank you, Tomi ❤️
We have reached a mutual agreement with Takehiro Tomiyasu to end his contract with immediate effect.
— Arsenal (@Arsenal) July 4, 2025
冨安とアーセナル、双方が契約解除で合意。
来季開幕を前に冨安がチームを去ることになりました。
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アーセナルを体現した冨安健洋という漢
2021年8月の移籍最終日。クラブ史上4人目となる日本人がアーセナル入団。
それが冨安健洋でした。
今でこそ冨安系YouTuberを自称している俺ですが、この時は、当然のことながら冨安を存じ上げることはなく、
ぶっちゃけ「え、誰!?」ってのが初見の反応。
でもしゃーない!
アーセナルのこと以外なんも知らないんだから!(ワンチャンアーセナルも怪しい)
逆にいうと、誰が来ても未知なる強豪!新鮮すぎて誰よりもワクワク出来るわけです。
はさておき、この冨安アーセナル入団により日本人サポが爆増、「冨安新規(冨新)」というワードがSNSを席巻することになります。
この「冨新」と呼ばれる皆さん、自称古サポ勢から「にわか急増」的なノリで理不尽にぶっ叩かれることになるわけですが、これはふざけんなと思ったね。
何言ってんだと。
「冨新」とはいえ、少なくとも彼らは冨安のこと知ってるやろと。
俺は冨安のことなんも知らねぇんだぞと。
俺こそが真の冨安新規、冨シンであると!
異論は認めない!!(ドヤ顔)
ってな感じで、そこから俺の冨シンライフがスターツするわけですが、
何も知らないなら調べればいいじゃない。
つーわけで始めた冨安の自由研究。
冨安の初インタビュー。
「監督に言われたらどこでもプレーする。たとえそれがストライカーだとしても」
この献身性こそ冨安が冨安たる所以ですが、そんな彼を調べれば調べるほど、冨安という漢の信頼度がバカ上がりしたのは言うまでもなく。
まさに「組織で戦うアーセナルのために生まれてきた漢」。彼の”人となり”を見てもそれは一目瞭然でした。
デビュー戦はチームに合流してからわずか2日後のノリッジ戦。
普通であれば、チームにフィットしていない選手をこんなド短期でプレーさせないですよ。強度の違う他のリーグから来た選手ならなおさら。
でもその秘めた可能性をアルテタは信じて疑わなかったのだと思う。
アーセナルは開幕3連敗最下位という最凶の泥沼。
ハンパないプレッシャーの中、このフィジカルバカの集うプレミアで、冨安はそれを易々とやってのけた。
それはまさに、救世主降臨の瞬間でした。
このスタンディングオベーションがその証。
アーセナルシーズン初勝利、最下位脱出に大貢献。
そして冨安3試合目となるノーロンダービーでは、右車線全面通行止めであのソンフンミンを完封。さらにこの試合のMoMを獲得。
これが高く評価され、月間MVPにも選出されるなど、日本人のみならず、世界中のグーナーが一人の日本人に熱狂することになるのです。
世界最高峰のプレミアリーグで、名門アーセナルで、しかもなかなか評価を得難いDFでのチーム最高評価。
さらにリバプール戦でも、今度は左車線であのモウ・サラーに完全勝利。
これは日本人どうこうじゃなく、フットボール選手として見てもとんでもない偉業。
この波に乗って、さらなる高みを!!
しかし、フットボールの神は残酷でした。
怪我という魔物が、徐々に彼のフットボール人生を蝕んでいきます。
度重なるふくらはぎや膝の怪我。そんなどん底の中、最愛なる母との別れ。
様々な困難で追い詰められる中、彼はこんなことを考えていたと後日Numberのインタビューで語っています。
怪我もあって外からアーセナルのサッカーを見る機会が増えてから、逆に『こんなすごいことやってんだ……』と。
外から見てる分、そのサッカーのレベルの高さをより感じてしまって。これが俺にできるのかという、疑心暗鬼みたいなものが生まれたことがあったんです。
自分よりも、ホワイト、チェン子、ティアニー、そしてセドの方がよく見えてしまい、メンタル的によくない方向に行った時期があったというもの。
何言ってんだよ!お前は出来るんだよ!!
てかお前がいなきゃダメなんだよ!!
サポは無邪気にそう思うかもしれません。
でも本人にしかわからない葛藤がそこにはあったのです。
そんな中、失った自信を取り戻すため、直接アルテタにローン移籍の打診をしたとも…
でもアルテタはそれをさせなかった。
そして2023年10月28日 プレミアリーグ第10節出場50試合目となるシェフィールド・ユナイテッド戦で、ついにアーセナル初ゴールを決めるのです。
人差し指を天に掲げるセレブレーション。
それは亡き母に捧げるゴールでした。
さらに最終節のエヴァトン戦でも同点ゴールを決めるなど、ここから一気に駆け上がってくれるはず!
しかしサポが期待に胸膨らませた24/25シーズンは、膝の故障によりプレシーズンから欠場。
出場時間はわずか6分。
思い描いていた未来とは似ても似つかない現実へと、彼はゆっくりと追い詰められていきます。
そして当然のように湧き上がる冨安不要論。
SNS上は相当荒れていたみたいですが、(幸いなことに一切俺には流れてこなかったけども)まぁそれは仕方ないと思う。
そう思う人間は、一定数確実にいるわけだから。
書く人間もなんらかの正義に基づいて書いているんでしょう。
それを書き殴ることで優勝に一歩近づくとか、きっと何らかのロジックがあるんだと思う。
でもただ一つ言いたいのは、そんなことドヤ顔で書き殴らなくたって、一番死ぬほどわかってんのは冨安本人だったと思う。
自信を失い、自らアルテタにローンを名乗り出た男ですよ。
そんなの自分が一番わかってるよ。
そんな選手に、サポがトドメ刺してどうすんだって話で。
そういうのを見るたび、毎回俺は思うんですよ。
俺たちが見ているのはバーチャルのゲームじゃないんだよ。
目の前でプレーしているのは、意思を持った生身の人間なのだと。
そんな人間を追い詰めるようなことして、なんの特があるのか。
実際、ムスタフィやジャカはそれで精神を病んだ。
自らのチームを追い詰めるとか、本末転倒だろって。
そんな時是非読んで欲しいのがボリスタ様の記事。
「現役サッカー選手の38%がうつ、不安障害に苦しんでいる」というもの。
心の病の理由は、自己への要求、監督の圧、チームメイトとの競争、メディアの監視、そしてキャリアを常に脅かし続ける怪我。
約2.5人に一人の選手が、常になんらかのプレッシャーと向き合い、ギリギリの状態で戦っている。
そして我々は、この選手達の過酷な戦いの表層を楽しませてもらっているわけです。
だからこそ、何か書き殴る前に一度これを思い出せ!ってのを自戒を込めて。
今回の退団も、俺は冨安が下した決断じゃないかと思う。
昨季の出場時間はわずか6分。
全く働いていないのに、給与なんて受け取れない。
さらに度重なる怪我で、復帰もいつになるかわからない。
そんな中、練習だけしてサラリーをもらうことに違和感を覚えてしまってもなんら不思議じゃない。
そういう選手じゃないか、冨安という漢は。
さらに冨安は日本代表に並々ならぬ思いを持った選手です。
もしかするとこの怪我の原因は、SBという過重労働にあるのかもしれない。
だとすれば、代表の本職であるCBでプレー出来るクラブに行った方が幸せなのかもしれない。
本人もそれを望んだのではないか。
だから、この別れは決してマイナスじゃない。
怪我さえなけりゃ俺は未だに冨安は世界最高峰のDFだと思ってますよ。
ソン・フンミンとサラーを左右で止められるやつどこにいるよって話で(いたら連れてこい!)。
それくらい、ポテンシャルは無限大の選手なんだから。
そして、どこに行こうが冨安は冨安。
俺たちは何も諦めちゃいない。
冨安の新たな船出を見送ってあげたい。
冨安が語っていました。
そんな経験があるからこそ、深みのある人間に、より強い選手になれると思う。今はまだまだ(挫折の)途中だと感じています。でも、最終的に勝てばいい。 僕はそう思っているので。
「最終的に勝てばいい」
そんな強い志があるなら、どこ行ったって大丈夫。
最後、どこでもいいから勝ってこい!
それが日本代表でもいいじゃないか。
最後に。
君がアーセナルに来てくれたおかげで、絶対出会うことがなかったであろう、沢山の日本人サポと出会うことができたよ。
君は俺にとっての神、冨神ですよ。
そんな冨神入団移行、このブログやYouTubeは「冨安と共に始まり、冨安と共に終わる」を掲げてきましたが、
Once a Gunner, always a Gunner.
これにて一旦俺の冨シン活動は終了しますが、これからも冨安を追っていこうと思います。
冨安は日本人としてだけではなく、グーナーとしての誇りだった。
そしてアーセナルを体現した、至高のDFだった。
異論は認めない。
頑張って こい!
そして、最終勝ってこい!!
本当にありがとう。
コメント
サルさん、ありがとう。
同じ思いです。トミーの今後のプレイヤー人生も
良い旅になります様に。
あれ?文字とか写真がぼやけてよく見えないんだけどモニター壊れたかな。