
先日黒猫ホーム、スタジアム・オブ・ライトで行われたサンダーランドとの一戦は、名勝負数え歌にノミネートされそうな大激戦となったわけですが、そんなサンダーランドのロングスロー対策がとんでもなかったのでご紹介。
またテタさんが行なったエミレーツ要塞化の施策も紹介するので、是非覚えて帰ってください。
サンダーランドのロングスロー対策がとんでもなかった
beIN Sports によると、広告看板とピッチの間を極限まで圧縮…
サンダランドのロングスロー対策がとんでもなかった!看板とピッチの間を極限まで圧縮…
でも、アウェイはこうでなくっちゃ!!
— さる@gØöner (@saru_gooner) November 11, 2025
ピッチ脇の広告看板を、距離にして7フィート(約2m)ピッチに近づけたと言われています。
右の黄色いラインが通常の位置。

X上にはこんな写真も投下されていました。
Clever from Sunderland?
Moving the pitchside hoardings in, to make it harder to take a long throw? #safc #Arsenal pic.twitter.com/5062ycYds0— Andy Kerr (@AndyKerrtv) November 8, 2025
とんでもなく寄せてる…
試合後これを問われた黒猫のル・ブリ監督は一切否定せず。
「試合に勝つため、どんな些細な部分でも探ろうとした」
さらに、このスローイン対策のみならず、ゴールラインを割らせまいと全身全霊でプレー。ジャカのリーダーシップのもと、果敢にタックルを仕掛けるなど、徹底した危機回避を見せていました。
実際、試合は見事に均衡を保ち、サンダーランドがアーセナルに許したコーナーキックはわずか2本。
こうして我々セットプレーFCは敗れ去ったのですが、
でもね、
アウェイはこうでなくっちゃ!!
てか、強かった…
普通に強かったよ…
そして何より、
スタジアム・オブ・ライトが脅威すぎた。
どんだけ脅威かっていうと…
今季黒猫がアディショナルで決めたゴールは5つなのですが、そのうちの4つが、このホーム、スタジアム・オブ・ライトなのです。
プレミアは甘すぎる?
ところで、リーガ、セリエA、ブンデス――ヨーロッパのビッグクラブの多くでは、アウェイスタンドが高層階に追いやられ、声が届かないような場所に設けられており、「徹底的にアウェイを感じさせる」ための演出があります。
カンプノウなんてピッチより空の方が近いくらいで、目の前の投石防止のネットのせいで、試合すらまともに見えない。
また、チャンピオンズリーグを見ているとわかるように、アウェイサポーターは視界を遮る柱のあるスタンドの端に押し込められることも珍しくありません。
そしてこれが欧州標準。
しかし、プレミアリーグでアウェイスタンドが2階以上に隔離されているのは、唯一ニューカッスルのセント・ジェームズ・パークのみ!
プレミアはマジでアウェイサポに甘すぎんのよ。
選手に勝利のメンタリティを植え付ける8つの施策
ご多分に漏れず、エミレーツのアウェイスタンドも一階のコーナーサイドに設けられており、実にフレンドリーな作りとなっています。
ただでさえ「ライブラリー(図書館)」と揶揄されるエミレーツ。ちょくちょくアウェイサポの歌しか聞こえないのはそういうことも関係しています。
そんな中、エミレーツもホームの要塞化を図るために、数々の施策を打っています。
( Dailyafc )
その一つがこちら。

選手の入場トンネルの排除。
今季から始まったこの試みは、ロッカールームを後にする選手たちに、ホームサポの熱狂を全身で浴びせ、彼らの士気を高めると同時に、敵チームへ強烈な圧をかける狙いがあります。

さらに、ハーフタイム後や試合終了間際に席を立つ観客を減らす目的で、コンコース内モニターでの試合映像配信を停止しました。
I like this.
Gonna do nothing realistically but shows the club are aware and actively doing what they can to work on improving the atmosphere pic.twitter.com/5Vma1uBDbn
— Dylan White (@dylunwhite) October 21, 2025
アルテタはここまでやってる。
わけですが、これは数多くの変更のうちの1つで、実はアルテタは選手の士気を高めるために、かなりの変更を行なっています。
まずは練習場。
アンフィールドで行われるリバプール戦前に、どでかいスピーカーを設置し、大音量のユルネバを浴びながら練習していたことは有名ですが、
最近では、トレーニングピッチの脇に高さ約5メートルの大型スクリーンを設置し、その映像を確認しながら練習を行えるようにしている模様。特にセットプレーの分析と再現に最大限活用されているようで、今のセットプレーFCがあるのもこのモニターのおかげかもしれません。
また、選手のモチベーションを高めるために、ポジティブなメッセージを各所に掲示したり、入口ホールには選手のモチベーション向上を目的とした「空っぽのトロフィーのショーケース」を設置するなど、大規模な改修も実施。
さらに、皆さんも『All or Nothing』で目にしたことがあると思いますが、試合前選手たちと共に手を繋ぎ「宇宙エネルギー」を生み出したり、アウェイのロッカールームにアーセナルのバナーやエンブレムを掲げホーム感を演出、無意識のうちに選手たちに闘争心を植え付けるなど、ロッカールームでもアルテタのスピ系アイデアを多数導入。

3シーズン連続2位という成績は、間違いなくアルテタのスピリチュアル思考の具現化なのです。
また、「ウィン君」という名のラブラドールのセラピー犬をマスコットにしたのも、チームの士気を高め、より家族のような雰囲気を作り出すためのアイデア。

そして、エミレーツの雰囲気が飛躍的に高まった要因として欠かせないのが、試合前に流れる新たなアンセム ルイス・ダンフォードの『North London Forever(The Angel)』です。
🚨🥇 Arsenal’s anthem “North London Forever” takes the crown as the best football anthem in the world ❤️⚽🎵 Proper goosebumps every time! 🔥pic.twitter.com/uVjMiz74Q1
— Arsenal Chizzy (@Arsenal_Chizzyy) November 12, 2025
アーセナルはこれまで何度も数々のアンセムを試してきました。
今も試合前にちらっと流れる『Good Old Arsenal』だったり、
遡れば、エルヴィス・プレスリーの『The Wonder Of You』だった時期もありました。
「The Wonder」は確かに悪くなかった…
のですが、残念ながら、心の底まで響く“定番”にはなりきれなかった。
そのせいか、試合前のスタジアムはどこか物足りなく、サポーターの熱を“魂レベル”で選手に届けることができなかった。
しかし、『North London Forever』の登場で、すべてが変わった。
我々はついに手に入れたのです。
真っ赤な魂(ダマシイ)の歌を。
そしてこの曲の導入を提案したのもミケル・アルテタなのです。
ここまでテタさんの偉大な功績をご紹介しましたが、エミレーツの雰囲気をさらに劇的に変えたもう一つの要素があります。
それがアマプラで放送されたアーセナルをワンシーズン追ったドキュメンタリー『All or Nothing』。
このドキュメンタリーにより、エミレーツがマジMAX変わった。
正直、アルテタは信じてるけど…大丈夫かね?
若いし、選手にナメられてたりしてない?
もし負けが込んだら、また別の監督かねぇ…
そんな感じで、アルテタを懐疑的に見ていた人も結構いたと思います。
このドキュメンタリー公開前までは。
しかしこの映像により、全てが裏返った。
そらそーよ。
あのアルテタの本気度を見せられたら。

全てのサポが、間違いなく彼の熱量にやられた。
実際、このドキュメンタリー公開後のエミレーツでの開幕戦では、試合前の雰囲気がまるで別物のように変化しました。
アルテタと心中。
そう、皆、覚悟を決めたのです。
そういう意味でも、本来タブーとされるキャメラをクラブ内に入れたアーセナルの漢気に天晴れだし、最高の映像を収めてくれたAmazon様には感謝しかありません。
さて、最近エミレーツに「70,000席超拡張」の噂が出ています。
いやでも、もし本当に工事するんだったら、
アウェイスタンドを、最上階に移動!
これがエミレーツ要塞化最後の施策!!
ということで何卒よろしくお願いしたい。
いや、マジでやってくんねぇかなぁ…
でも、ボスの遺伝子を継ぐ者たち、アウェイサポには優しいからなぁ…


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