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アーセナル影の救世主 ニコラ・ジョバーとは何者か?

パレス戦のガブちゃんの2点は、いずれもコーナーキックからのゴールでした。

実はある時を境にアーセナルはセットプレーでは抜群の成績を収めており、この試合でもその強みが爆発した形となりました。

その中心にいる人物こそが、セットプレー(セットピース)コーチのニコラ・ジョバーです。

この記事では彼の経歴や入団のきっかけ、仕事内容を振り返りながら、ニコラ・ジョバーとは何か?セットプレーコーチとは?謎に満ちた男とその職業を深掘りしてみたいと思います。

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ニコラ・ジョバーのキャリア

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まずはニコラ・ジョバーの経歴から。

2009~2016 モンペリエ(ビデオアナリスト)
2013 クロアチア(マッチアナリスト)
2016~2019 ブレントフォード(アシスタント)
2019–2021 マンチェスター・シティ(アシスタント)
2021年~ アーセナル(アシスタント)

ニコラ・ジョバーは、ドイツ・ベルリン生まれフランス育ちのフランス人で1981年10月生まれの現在43歳(2024年1月現在)。

フランス・モンペリエのビデオアナリストとしてキャリアをスタートしたジョバーは、2016年ブレントフォードのディーン・スミスのアシスタントコーチとして渡英。

ディーン退任後も後任のトーマス・フランクの元でキャリアを積み、2019年夏からペップ率いるマンチェスター・シティのセットプレーコーチとして就任。そこで当時アシスタントコーチを務めていたアルテタと運命的な出会いを果たします。

同年12月アルテタはアーセナルの監督となるわけですが、当時のセットプレーコーチ、アンドリース・ゲオルグソンがチームを去ったのを機に、アルテタは元同僚のジョバーに猛アタック。ジョバーをアーセナルに呼び寄せ、再びタッグを組むことになります。

ジョバーの就任直後アルテタは長州調でこう語っています。

「まぁアイツの専門知識は信じられないほどぶっ飛んでるし、まさに我々に必要な人物ですよ」

ニコラ・ジョバーの功績

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ニコラ・ジョバーのセットプレーコーチ就任後、結果はすぐに現れます。
sky sportsの記事から。

20/21シーズン就任わずか6試合目にして、セットプレーからのゴールがリバプールと並びリーグトップタイ。得点率も前年の20/21と比べ11%から46%と嘘みたいに向上。

もちろん前任者ゲオルグソン氏時代の上積みを鑑みても異様な上げ幅です。

ちなみにシティ時代の戦績も見てみましょう。(赤部分が就任後)

シーズン ゴール数 順位 ゴール% 失点 順位 失点%
18/19 11 10位 12% 9 3位 39%
19/20 17 1位 17% 7 2位 20%
20/21 13 4位 16% 6 2位 19%

セットプレーからのゴールが、就任直後は17ゴールで1位、失点も2番目に少なく、翌シーズンも13ゴールで4位となるなど、新たな伸び代を最大限引き伸ばし、リーグタイトル奪還に貢献しています。

そしてアーセナル直近の成績がこちら。

現在までのところ(※2024年1月20日)ペナルティを除くセットプレーからのゴール数が13とプレミアで最も高い数字となっています。

これはもうそーいうことなんじゃないでしょうか?

ちなみにこれは20/21から現在までのディフェンダーによるゴール数。
( Arsenal )

ガブリエウ(アーセナル) 12
ベン・ミー(バーンリー) 10
スチュアート・ダラス(リーズ) 9
クル・ズマ(ウェストハム) 9
アレキサンダー・アーノルド(リバプール) 8
ベン・チルウェル(チェルシー) 8
ルイス・ダンク(ブライトン) 8
マイケル・キーン(エヴァトン) 8
ファン・ダイク(リバプール) 8

コーナーキック時、アーセナルが空中戦を挑む場合はほぼほぼガブちゃんを狙って放り込んでいます。ガブちゃんに頭で撃たせるため、ありとあらゆるルーティンでゴール前にケイオスを作り出す。

またこれは昨シーズンのパレス戦でのルーティンですが、ガブちゃんをおとりにして相手をケムに巻くこともあリます。

それ以外にもサカとマーチンのショートコーナーなど、50とも言われるルーティンを創造し相手によって使い分ける。それがニコラ・ジョバーの仕事。

そして彼の仕事は攻撃面だけでなく、当然守備においても活かされます。

コーナー時の守備を、対戦相手によってマンマークとゾーンマークに守り方を変えるなど、セットプレーコーチの役割は多岐にわたるのです。

アーセナルがセットプレーコーチを起用する理由

セットプレー(セットピース)コーチという職業をこのニコラ・ジョバーで知ったという方も多くいらっしゃるかもしれませんが(ぶっちゃけ俺はそう)、まだまだこの職業の認知度は高くかもしれません。

そんな中、ドイツ代表のセットプレーコーチも務め、ジョバーの良き理解者でもあるマッズ・ブットゲライトさんがセットプレーコーチの重要性をめちゃめちゃ熱く語っているのでご紹介します。
( sky sports )

「ニコラスは考え方やプランの構築において天才的な人物だ。彼の考えるセットプレーの裏には必ず真理が存在する。どんなルーティンでも偶然が入り込む余地はないのだ。

彼とのセットプレーについての議論は終わることがないね。あるコーナーのルーティンだけでも1時間以上議論しても足りないくらいだった。

あらゆる側面を検討し、相手が打ってきた手にどう対処するのか、それは果てしない問題だ。

個人的に知っているセットプレーコーチは何人かいるが、私の中ではニコラが最高峰だ。

ジョーバーの細部へのこだわりと創意工夫は、今シーズンアーセナルが決めたゴールの多くに表れている。彼らのセットプレーには間違いなく彼の指紋が残っているんだ」

「彼の指紋が残っている」という言い方が個人的には大好きだなぁ…とにかくマッズさんも太鼓判のコーチなのです。

またマッズさんがここで語る、「セットプレーにおけるジョバーの創意工夫」とは、ターゲットマンのポジショニングや、偽装ラン、相手を煙に巻くおとりの動き、そしてリバウンドやルーズボールを想定した選手陣の位置どりなど、全てを補完できるポジショニングや動きを何パターンも準備し、相手のタイプや陣形において臨機応変に対応することです。

これにより、あらゆる角度から、予測不可能な展開で相手に脅威を与えることが出来るのです。

マッズさんは続けます。

「完璧な計画を立てることはできるが、それを実行するのは選手自身だ。だから、その選手たちに何故こうすべきなのか念入りに説明し、プランを受け入れさせ、それを信じさせる形で練習を行い、ピッチで実行してもらう必要がある。

セットプレーこそが彼の情熱を表現する場でもある。彼はそれを選手たちに伝えるだけでなく、全ての意見に耳を傾ける。単に選手たちに何をすべきかを指示するだけではなく、常に選手たちとコミュニケーションを取りながら共にプランを練り上げているんだ」

ジョバさん熱い!熱すぎるよ!!

熱すぎるといえば、シティ戦で勝利後、元教え子のカイル・ウォーカーと揉めたことがありました。

その理由が、ジョバーがウォーカーに握手を求めにいくとウォーカーがそれを拒否ったというもの。

元同僚とやり合うくらいの熱量を持って、このアーセナルに命を捧げているのです。

マッズさん曰く、セットプレーの専門コーチの存在は、徐々に浸透はしているものの、まだまだサッカー界では珍しい存在とのこと。

しかし、フォーメーションの変化や強くて早いDF陣の出現により、オープンな展開からのゴールが年々難しくなる中、ゴールの35%がセットプレーからの得点と言われる昨今において、この部分に重要性を見い出す監督やチームが徐々に増え、セットプレーコーチの権威性というものが見直される時代がやってくるのかもしれません。

そしてこの「ネルソンの奇跡」はジョバーによって描かれた、想定内の奇跡でもあるのです。

信じるか信じないかは、あなた次第です!

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妄想記事を描いている猿

アーセナルのせいで日本に帰国できなくなった非国民、出家信者。「妄想8割・ガセ2割」をモットーにアーセナルのエア情報を垂れ流す意識低い系ブロガーとして、日本人グーナーのメディアリテラシー向上に貢献すべく、ほぼ毎日ブログを更新中。

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Arsenal (アーセナル) 猿のプレミアライフ

コメント

  1. 343 より:

    前任者も優れた人だったと思うが、レフリー問題に苦しめられ去っていった。
    基本。ボールホルダーは何をしてもいい。サッカーはミスが許されるスポーツ。だからこそ世界中で人気。セットプレイが監督の。が。
    だんだん解ってくる。セットプレイは選ぶ人間でない人が、コーディネートしたほうがよい。選ばれたい一心で何でもする選手が。それは基本から外れる。
    大きいからと言ってヘディングが得意とは限らない。キヴィオルもライスも頑張っている。狂気によってそれを成すことを拒否するアーセナル。出来る限りでいい。その出来る限りを拡大していくことこそ人類が学ぶべきことで、プロスポーツの存在理由と言ってもいい。
    BGMはテイラースウィフト「オールユーハッドトゥドゥワズティ」テイラーズバージョン。…砂を集め塔を造る。風吹けば消える。それでも造り続ける。

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