ロンドンのタワーマンションで大火災の真実

日本でも報道されまくっていたらしい”ロンドンの超高層マンション火災”ですが、若干報道にズレが生じているぽいので、大きなお世話かと存じますが、この記事でちょっとだけ捕捉したいと思います。

 
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ロンドンの超高層マンションで大火災の真実

ロンドンのハイドパーク、ケンジントン宮殿近くのタワーマンションで大火災発生！

日本の報道では、こんな感じなんでしょうか？

確かにこれだけ見ると、

「王族が暮らしてそうなエリアにある超高級タワマンで大火災発生、あっという間に一棟丸ごと炎上。富裕層の人達大丈夫？あとやっぱタワマンって怖いよね…」

こんなイメージになってしまうと思いますけど、

現実は大幅に違います。

このマンション、確かに大きくロンドンを見渡すとケンジントン近くに見えるかしれませんが、どちらかというとQPRのロフタスロードにほど近い若干アレなエリアで、王族貴族華族とはほど遠い場所に位置しています。

そして、「超高層タワマン」ですが、これも日本人が思い描く「タワマン」とは1080度違います。

ロンドンのタワーマンションとは

日本で「タワマン」と呼ばれるこの高層アパートは、元は生活保護の対象となる人たちを住まわせる目的で（建てられたではなく）立てられた公営住宅団地で、カウンシル・フラットと呼ばれる建物です。

以前、日本人駐在員向けのサイトで、「ロンドン住むならこのエリア」みたいなアドバイスの中に、「カウンシルフラットの多い地域は避けましょう」的な文言をみかけた記憶がありますが、オリンピックを境にロンドンの街も徐々に浄化されてきているとはいえ、ローカル以外の人間にとっては、未だにどこかで「低所得者層エリア=治安が悪い」という暗黙の了解を脈々と受け継ぐ、そういう立ち位置の建物です。

ちなみに今から8、9年ほど前、自分も諸事情により一時東ロンドンにある「Mile End」っていう世界の終わりみたいな町のガチ・カウンシル・フラット街の墓地のそばに住んだ事があるのですが、ある日の夕方歩道を歩いていると、年の頃は17、8くらいのやさぐれボーイに、通りすがりざま突然セインズベリーの買い物袋を蹴り上げられ一触即発になった事があります。生卵が入っていなかったので事なきを得ましたが、これには「あぁカウンシル…」を肌で実感せざるえませんでした。

ただ今では、リノベーションされて部屋単位で売買されていたりするようなので、生活保護受給者以外のそこそこお金持ってる人も住めるようになってるみたいだし、蹴られたのも相当前の話で、もちろん大半は善良な市民。日本人が珍しかったのかな！そうなのかな！って事で、あくまで一例でお願いしたいところなのですが、とにかく俺が言いたいのは、

ここには、「富裕層がバルコニーでバスローブ着ながらワイン片手に優雅に葉巻という世界はない」ということ。

そしてこの建物は、あくまで公営住宅の団地なので、日本のタワマンのように玄関が総大理石の床でもないだろうし、最上階まで一気に駆け上がる超高速のエレベーターなんてもっての他でしょう。階段は一カ所と、避難経路も確保されていたかどうかすら怪しいし、スプリンクラーすら設置されていなかったらしいので、ぶっちゃけ火事なんて想定してなかった事が容易に想像出来る、日本人が考える「タワマン」とはほど遠い、そういう代物なのです。

ちなみに、知り合いに17階建てのカウンシルフラットに住んでいる知人がいるので、今回の火事について聞いてみたのですが、こんな応えが。

「あ、うち逃げ場ないよ？」

まぁ、そういうことなんだと思います。

また、とにかく安価で建てられてるだろうから素材なんかも相当アレだろうし、炎が一部屋で収まらず、一棟丸ごと燃えてしまうのも納得と言うか…。建築の専門家じゃないからはっきりとはわかりませんが、「タワマンなのになんであんな燃えるの！？」っていうのはおそらくそういう事なのかもしれません。

で、こういう海外のニュースが若干違ったアレで伝えられるのをみていつも思うんですけど、

各局各紙、特派員の人いるよね？

どうなってんの？

仕事してないの？

それとも知らないってことなのかしら…ってこと。

100歩譲ってロンドン外とか、マンチェスターの田舎のニュースならそういう誤差はわかるけれども、なんで真逆に伝わってしまうのか…それともそういう意図があるんやろか？

まぁ「タワマン」つった方がセンセーショナルだし、響きもいいしねぇ・・・。

以上が現地の肌感覚での意見ですが、

“日本のタワーマンションとロンドンの一部タワーマンションは天と地の差ほどある全くの別物”

ということを念頭に、今回のニュースをご覧いただくと、きっとまた、別の何かが見えて来ると思います。

飛ばすのは、サッカー記事だけにしていただきたい！

現場からは以上です。

今回の火災で亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。

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（そして翻訳はガチグナのYOKOさん！YES！）

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